2007年4月20日（金）Kyohei Kanekoレコ発ライヴ
4月18日に渾身のデビュー・アルバム『RISE』をリリースしたKKが、渋谷BOXXにてレコ発ライヴを開催。会場に入ると既に場内は満員状態！ オール・スタンディングのフロアに入り切らない程のお客さんが、今か今かとステージに登場する彼の姿を待ち望んでいた。
ステージにはターン・テーブルが用意されており、DJが刻む軽快なリズムに乗せてダンサー２人が踊る中、沢山の声援と拍手に包まれ、KKが登場。白いジャケット姿の彼は１曲目の「You Blind Me」からキレのあるダンスを披露し、あっという間に見ている観客を引きつけた。そして曲が終わると“皆さんこんばんはKyohei Kanekoです!! 沢山の方々に来て頂いて本当に嬉しく思います”と丁寧に挨拶し、ファンの歓声に応えた。ステージを左右に移動し、出来るだけ近い距離で観客と触れ合おうとステージから手を伸ばす彼の姿はとても印象的で、ファン１人１人を大事にする彼の優しさが溢れ出ていた。それはMCの場面でも同じで、会場から発される言葉１つ１つにきちんと答えて、客席との会話を楽しんでいた。きっと観客も目に見える距離以上に、とても近く彼を感じる事が出来たはずだ。
ステージも中盤に差し掛かると、この日の為に、Double S（from D.T.F.）がスペシャル・ゲストとして登場し、「強さと弱さ」では賑やかなコール＆レスポンスが繰り広げられた。その後彼が一瞬だけステージから姿を消すと……？ 誰もいないステージから「Baby Let Me...」の着メロが聴こえてきた。すると……!! 衣装チェンジをしたKKが携帯電話を片手に登場し、恋人との幸せな気持ちを歌った「Baby Let Me...」から恋の終りを表現した「If You Come Back」までのシチュエーションをリアルに再現。これには観客からも思い思いの歓声が飛んでいた。そしてこの日のライヴで最も印象に残った出来事は、彼が弾き語りを披露した「失くさないように」だった。後方のお客さんから“見えない”との声が上がると前方にいるお客さんが自然と座り始めたのだ!! この光景にはKKも感激し“嬉しいです!!”と笑顔を見せていた。会場を訪れた観客の気持ちと、ステージに立つアーティストの思いが1つになり、会場中の絆が一層強まったこの瞬間は、ずっと私の心に残り続ける事だろう。
ライヴはこのままラストまで駆け抜け、アンコールに3曲を熱唱して幕を閉じた。その中でも最後に歌った「Thanks For Standing By Me」はこの日が初披露の新曲で、“応援してくれる皆の事を思って、皆と歌いたくて書いた曲”という言葉通り、優しい歌声が聴き手の心をぎゅっと掴んだナンバーだった。
初ライヴとは思えない程のヴォリュームとステージ・パフォーマンスで、観客を楽しませてくれたこの日のライヴは、彼の飾らない素顔と人を惹き付ける魅力溢れるステージだった。今後、彼がどんなステージを見せてくれるのか期待したい。
【SET LIST】
1. You Blind Me 2. いつでも 3. Memory 4 .Still 5. 焦がれるように 6. Under The Sun
7. 涙を拭かせて 8. 強さと弱さ 9. Baby Let Me... 10. If You Come Back 11. Don't Need To Know
12. 失くさないように 13. Pain 14. Twinge
［アンコール］
15. 君のすべてを 16. 時間の中で 17. Thanks For Standing By Me（新曲）
from music freak magazine vol.149（5月10日発行号）
